[1]ゆとりん@MVあ5l9jku3vtjc
2023/02/12 07:11
『Stand by me 描クえもん』

満賀 描男(まんが かくお)は
20歳の時に漫画家を目指して上京するも、
5度新人賞に応募し入賞できないまま
4年の歳月が経ってしまい、
現在はアシスタントとして
何とか食いつないでいた

そんな描男の元に
謎のおっさんが現れ、
「俺は未来のお前だ

このままじゃお前は
俺のような汚いおっさんになる

漫画家を目指すのはやめろ」
と言う

おかしな話だが、
このおっさんがやたらと
描男のことについて詳しく、
不思議と無視できず
描男はおっさんの居候を認める

その後描男は作品が受賞し
デビューが決まるも、
デビュー作は
『功盛』(こうもり)という男が
編集部に持ち込んだ
「集団的自衛権の行使の
ハードルが下がるから
海上自衛隊モノがイケる!」
という企画を元にした
新人自衛官の漫画ということが
決まっており、
描男に描きたいものを描く
権利はなかった

そのうえ功盛は
最初のアイディアを出しただけで
ネームも描かなければ
ストーリーも考えず、
描男はほとんど0から
物語を作らなければならなかった

おっさんは描男に
「この話は断われ

後々面倒になる」
と言うが、
ようやく掴んだチャンスを離したくない描男は
この企画を受け入れた

こうして発表された
『魚猿』は大ヒットし、
100万部を超える人気作となる

しかし、功盛が
「魚猿の原作者は私です」
とメディアに露出し、
大ヒットは自分の力だと吹聴する…


『海猿』が有名な
佐藤 秀峰先生の最新作

秀峰先生は
漫画家の利益や権利を守ることに
力を入れている人物であり、
過去には『海猿』が
フジテレビによって実写化された際
秀峰先生に断りなく
関連書籍を発売したことから、
フジテレビとの絶縁を宣言した

ここまで書けばお分かりのように、
本作はフィクションということに
なってはいるものの、
明らかに『海猿』の時に起きた騒動を
元ネタにしている
(海猿の原案は
小森という小説家で
功盛と1字違い)

作品がTVドラマ化・映画化される
大ヒット作となり、
一躍人気漫画家となった人々は
夢を掴んだ成功者なのかと思いきや、
その裏にはこんな闇があったのかと思うと
必ずしも売れることが
成功者ではないのかもと思わされる

『海猿』の件以外にも
様々な権利関係のトラブルに
巻き込まれた過去を持つ秀峰先生が描く
漫画業界の闇

漫画が好きな人にとっては
辛い内容かもしれないが、
漫画が好きな人にこそ読んでほしい1作

現在3巻まで発売中だが、
3巻に関しては
電子書籍でしか購入できない

しかし、
なんと3巻は無料で
販売されている

これも秀峰先生の取組の一環であり、
最新作を無料販売することで
結果的に秀峰先生の過去作の宣伝になり、
莫大な利益を得たとのこと

皆も是非とも
この漫画にお金を落として、
漫画家に利益を与えてほしい

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