[1]ゆとりん@MVあ5l9jku3vtjc
2020/04/04 23:52
『ノイズ【noise】』

猪狩町という集落は、
町出身の青年・泉 圭太が開発した
黒イチジクが全国的にヒットし
限界集落から一転して
活気を取り戻し始めていた

イチジク農園の大規模化に伴い
求人を募集した圭太の元に、
鈴木 睦雄(むつお)という
不審な言動を見せる男が現れる

睦雄という名前に聞き覚えのあった
圭太の親友である
田辺 純が調べたところ、
睦雄は14年前に起きた
女子大生ストーカー殺人事件で
逮捕された
元受刑者だった

圭太は仕事を求める睦雄を断るが、
それでも睦雄は
いつまでも町に居座り続けた

せっかく復興の兆しが見えてきた町に
余計な異物が入ってほしくない圭太と純は、
町の警察官・守屋 真一郎と共に
睦雄に町から出ていってくれと頼む

しかし睦雄は抵抗し、
格闘になってしまう

そしてなんと勢いで
睦雄を殺してしまった

イチジク農園の主である
圭太が殺人犯となれば
黒イチジクの評判は下がり、
町の復興は叶わなくなる

圭太達3人は、
この殺人を隠蔽し
無かったことにしようとするが…



『悪人』は
鈴木 睦雄ただ1人なのに
彼を殺してしまったことで
悪の波紋が広がっていく様は、
まさしく平和な町に鳴り響くノイズ

ついこの間
『楽園』という映画でも
集落の中で起きた
殺人事件が描かれていたが、
住民全員の顔を知っているような
小さな町だからこそ町を愛し、
それゆえに
どんどん悪の道へ進んでしまう姿が
何とも痛ましい

現実にありそうな話であることも
ポイント

作者の筒井 哲也先生は
殺人事件を題材にした漫画を
多く描いているが、
『マンホール』や
『予告犯』は
ちょっと非現実的な要素があった
(こちらはこちらで面白いけど)

『ノイズ』は
現実離れしすぎない
ギリギリの範囲で事件を描いており、
だからこそ登場人物の葛藤にも
共感できる

町のために悪に手を染めていく
若者達の結末を、
是非自分の目で読んでほしい

全3巻

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