[1]ゆとりん@MVあ5l9jku3vtjc
2021/09/12 14:17
>>31『ブルーピリオド』

高校2年生の矢口 八虎は
イケメンで成績優秀、
運動神経も良く、
人付き合いも得意で
何事もそつなくこなせるため、
どこか人生に
手ごたえの無さを感じていた

そんな彼はある日、
美術室に飾られていた
美術部の上級生の描いた
『緑色の天使』の絵に
胸を打たれる

美術というものは
才能がある人しかできないことだと
考えていた八虎だが、
その絵を描いた森先輩から
「才能なんかないよ

絵のこと考えてる時間が
他の人より多いだけ」
と言われる

後日、八虎は
友人達とスポーツバーで
サッカー日本代表の試合を観戦し、
日本の逆転勝利を祝うが、
心の中で
「この感動は誰のものだ?

他人の努力の結果で酒飲むなよ

お前のことじゃないだろ」
と感じるようになる
(八虎は未成年だが飲酒している)

そこで八虎は、普段はあまり
真面目に取り組んでいなかった
美術の授業に
真面目に取り組んでみようとするが、
その課題である
『私の好きな風景』
が中々
イメージ通りに描けない

やっとの思いで完成させた
『早朝の渋谷』

八虎はこの渋谷を
青で塗っており、
傍目には何だかわからなかった

しかし、共に渋谷で遊んだ友人達は
八虎の描いた絵が
渋谷であることを言い当てた

今まで人に合わせて
調子のいいことを言っていた八虎は、
この時生まれて初めて
ちゃんと人と会話できた気がした

こうして八虎は、
美術の世界へのめり込んでいく‥

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