[1]ゆとりん@MVあ5l9jku3vtjc
2024/07/13 18:46
『ヘウレーカ』

紀元前3世紀後半、
ローマ同盟国・シラクサ

しかし、勢いを増す
カルタゴの英雄・ハンニバルに心酔した
シラクサ軍司令官エピキュデス将軍が
ローマとの同盟を解消し
カルタゴと組んだことから、
シラクサに住むローマ人は
立場が危うくなる

勇猛果敢で知られるスパルタ人でありながら、
荒事が嫌いで故郷を離れ
シラクサに流れ着いた男・ダミッポス

彼の想い人であるクラウディアもまた
ローマ人であることから、
シラクサ住民から
憎しみを向けられることに

ダミッポスはクラウディアのため、
エピキュデスの元で
戦果を上げる代わりに
ローマ人の保護を訴える


全1巻の中に
史実とフィクションを
上手く織り交ぜ
最高のエンターテイメントに仕上げた
完成度の高い歴史漫画

作者は後に傑作歴史漫画
『ヒストリエ』を描く
岩明 均先生であり、
今作から既にヒストリエの片鱗が見られる

アルキメデス、マルケルス、ハンニバル等
歴史ものでよく聞く名前が
次々登場するが、
そんな中で主人公をダミッポスにしたのが
凄い着眼点だと思う

ダミッポスもまた
史実に名を残している人物だそうだが、
非常にエピソードが少なく
知名度もあまり無い

俺自身、この漫画を読むまで
彼の存在を知らなかった

そんな彼だからこそ、
キャラ付けに遊びがある

他の登場人物が
当時の倫理観に則っている中、
ダミッポスだけは
飄々とした立ち振舞いをする

物語の内容だけを考えると
非常に残酷な話の筈なのだが、
岩明先生のあっさりとした絵と
ダミッポスの性格のおかげで
そこまで暗くならない

歴史漫画を読むと
胃もたれしてしまう俺ですら
夢中になって
アッサリ読むことができた

タイトルの『ヘウレーカ』とは
古代ギリシャ語で
「発見」
という意味だそうで、
アルキメデスがアルキメデスの原理を発見した時に
この言葉を叫んだとのこと

この漫画を読むことで、
きっとあなたも何かをヘウレーカするだろう

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