ある魔法の物語
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ダンジョンにはトラップがあるから、足元には気を付けなくてはならない。
俺も冒険者だからそれはわかっている。
わかっていても、トラップが仕掛けられた床を踏んでしまうことはある。
まともに相手をするのはちょっと苦しい強さの大ムカデから逃げていた俺たちは、
踏んではいけない床のスイッチを踏んでしまった。
まあ、よくある事故というやつだ。
どうやら魔物を召喚するトラップのスイッチだったらしく、
壁に描かれていた魔法陣からたちまち幽鬼の群れが湧き出す。
幽鬼はそんなに強い魔物じゃないけど、数が多いと厄介だ。
「雑魚の相手はお前に任せたぞ!」
追い付いてきた大ムカデに剣で応戦しながらあいつが叫ぶ。
「いや、俺まだろくな攻撃魔法を覚えてないぞ!?」
我ながら情けない言葉を叫び返した。
ここは封印の地だから、普通の魔法は使うことができない。
「なんとか頑張れ!!」
脳筋のあいつらしい返事が返ってきた。
うん、新しい魔法でどうにかするしかない。
俺は使えそうな呪文の詠唱を始めた。
「マス・フロール……」
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